井本整体

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井本整体の基本思想







命に対する礼

私たちが伝えたいこと、それは、人間が生きることは何かに挑戦し、ロマンを求め、かつ試していくことである、ということです。それぞれの人生において、どんな方法で試すにしても、生きているということが前提でなければなりません。「命に対する礼」は、人として生きていくうえでの全ての基本と言えるでしょう。

今、生きていることの充実ということを出発点に置いて、この混沌とした世の中、少しでも心静かに考えてみたいのです。
人格を養うにも、技術を習得するにも、「健康」であることがまず根本であり、健康であって初めて命に対する礼が構築されてくるのです。

したがって、整体を志す者にとって、自らが整体であることは第一条件であり、それを持ち合わせて初めて相手に整体への導きができるのです。
言い換えれば、心を養うにも、技術の習得にも、健康であれば自ら整体への道は開けてくるのです。

命への尊重がない人は命に対する礼はなく、いくら技術を身につけても意味のないものになってしまいます。
なぜなら、整体の技術とは、相手があって初めて生じるものであり、その心と体は、要である相手の感受性を導くことで変化を見、生かされるものであるからです。そのためには、相手の命に対する礼がどうしても欠かせないのです。命あるものに触れるのに、物を扱うがごとき心構えでこの道に携わられては困るのです。

このような人は、自分自身は言うに及ばず、相手の心や体をも簡単に裏切ることをしてしまうでしょう。
そういう心の方向で整体指導を行えば、「実」を「虚」にする人間を作りあげてしまうのです。これはなにも整体だけの特異なことではなく、命あるものに携わるすべての世界に当てはまると思います。

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整体の立処

45年以上も人間を観続けて、今も変わらず思うこと、それは人間の生命力は素晴らしいということです。動物などは食物も決まっていて、それがゆえに棲息できる場所も限定されてしまいます。人間は何でも食べられるがゆえにこれまで絶滅もせずに生きてこられたのですし、世界のどこでも生きていけるのです。
 
また、動物は何日か大便が出ないというだけでも死んでしまいます。人間も数週間も大便が出ないと体に悪影響があるのですが、それでも生きていけます。
私が指導している人の中には、6ヶ月も大便が出なかった人もいます。全くどういう体をしているのかと思うのですが、それでも生きているのですから人間の適応能力というのは、驚くべきものがあります。
 
また薬害というのもさかんに取りあげられていますが、菌が耐性を増しているだけではなく、人間の薬に対する抵抗力も大きくなっているように思えるのです。
最近は薬もますます強くなってきています。よくこんな強い薬を飲んで生きていられるものだと思うのですが、人間の体はこれに上手く適応し、いわば見事なまでに鈍く、丈夫になってきています。


このように、他の動物なら生きていけないような状況でも生きていけるほどの生命力が人間には備わっているのです。それほどまでに人間というのは逞しくできています。
ですから井本整体では、人間の持つその素晴らしい生きる力を自覚させ、これを十全に発揮できる状態に導くのが整体指導であると考えています。そして、その生命力の源である「気」というものを基軸にすえた人間観こそが整体であると言えましょう。

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資格認定について

整体と他の療術との違い、そして整体の難しさもまた気というものに起因しているのです。技術面では型や整体操法というものを制定しておりますので、教えることは可能ですが、目に見えない気というものに関しては、ある程度しか教えようがない。気は整体において基軸となる最も重要なものであるにもかかわらず、これは教えようもなく自分で体得するしかないのです。
ナマコを見たことも食べたこともない人に、その味を説明してもわかるものではありません。実際に食べてみなければ永久にわからないのです。気も全く同じで、地道に鍛練を重ねる中で、体得していくものなのです。

療術の世界でもペーパー試験が盛んですが、整体の根幹である気という部分だけは、どうしてもマニュアル化した教えや定期試験による進級などにはなじまないのです。
これをやってしまうと、整体の形骸化を招き、他の療術と同じようなものに堕してしまうと思うのです。
結果(答)を決めるのは相手(指導の受け手)なのです。答案用紙ではありません。このようなことは開業して誰しも直面することです。
ですから井本整体の資格認定に当たっては、私自身も受験者と一緒になって気を感じながら試験に臨みます。我々の試験は世に通ずるまさに真剣勝負であり、この微妙な気というものを膚で感じ、体得することで、整体の本質を正しく理解してもらいたいからなのです。
 
生命力だとか気とか言うと抽象的な感じがするかもしれませんが、例えて言えば、小川の自然な流れを妨げている石を除いたり、石の場所を変えたりすることで流れを変えることができるように、気の流れを妨げる根本原因をつきとめ、これを変えることで生命力という人間の持つ自然の力を取り戻すのが整体なのです。

ですから、気の流れを妨げる根本原因をつきとめ、これを変化させるために、構え、型、硬結の頭(異常点の中心)を捉えるといった技術的側面が重要となるのは当然ですが、整体の着手となる第一歩は、正確に体を読み、気を捉え、その流れを良くすることなのです。
これが施術をする者の基本となります。我々の見るべきは、世間でよく言われるような背骨が曲がっているかどうかなどではなく、気の流れなのです。

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整体の学び方

現在は様々な療術学校がありますが、今の人は易しくマニュアル化された勉強に慣れ、その結果マニュアルに沿った施術しかできない人が多くなってきているようです。しかし、人間の心や体はマニュアル通りに働いていないのです。
そこでもしあなたが施術(指導)を受ける立場だったら、はたしてマニュアル通りの指導で納得できるでしょうか。

人間は一人一人感受性が異なっているように、体も異なっているのです。正確な体の読みができないと、正しい指導ができません。
指導を求める人に相対する時は、いつの時も自分一人なのです。その時に、果たして本当の技術が自分に身についているか、ということを考える必要があります。
井本整体では、私が永年の実践の中で見つけ出し、成果をあげてきた本来の技術のさらに核心の部分を教えています。これをどうにかして後世に伝えたいというのが私のこころからの願いなのです。

また、療術家というのは、昔からキャリアを積むにしたがって自分の体、特に呼吸器を壊し、ひどい場合は死に至る人も相当に多かったのです。
それは、力任せの無理な体の使い方、つまりは「型」の軽視にあります。
命を扱う者としてこれを正すことも私の使命と考えています。したがって私のところでは、初等の段階から正しい型というものを繰り返し体に覚え込ませるようにしています。これが、一見、遠回りのようでいて、整体の技術を身につけるうえでの近道なのです。
「正しい型無くして整体はならず。」これが真実です。

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変化を活かす

人は誰しもゆるぎない健康を渇望しています。その為、完璧な健康を求めてあらゆる健康法が話題になっては、すぐに消えていきます。この「健康ブーム」はとどまるところを知らないようです。

しかし、実は「完璧な健康体」などというものはどこにも存在しません。人間は、春、夏、秋、冬の四季の豊かな日本の気候の中で、ゆらぎながら健康を維持していかなければならないのです。
また、生まれてから幼児期、少年期、青年期、壮年期、老年期とつづく過程の中で、さらには自分を取り巻く社会環境や人間関係の中で、わたしたちのこころとからだは常にゆらいでいます。

そのたびに体のどこかがおかしくなったり、カゼをひいたりするのは生きものである以上、当然のことです。それにいちいち病名をつけているようだが、むしろ周りが変化しているのに、人が全く変化しなかったらそちらの方がおかしいのです。
 
周りの変化について行けないからだは、整体の考えからすると決して健全なからだとは言えません。ゆらぎが避けられないのなら、逆にそれを利用することを積極的に学ぶべきです。



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